災害に備え ガス・電気併用したい人要注意!災害時にガスは使えない?!

住宅営業をしていた際

お客様

災害時にライフラインが使えなくなるのは嫌なので、
オール電化にするのは嫌です

お客様

災害時に備え、
ガスと電気を使える住宅にしたい

とよく言われました。

災害大国 日本。
住宅会社としても「耐震等級」を高めたり、や災害が起きても「日常と変わらない生活を」を目指した家づくりをしています。

建てる側も、住む側も真剣に災害対策に向かい合っているからこそ、気を付けて欲しいポイントをまとめます。
今回は日常と変わらない生活を送る為に必須な ライフラインに特化してみていきます。

この記事は

  • 災害時でも安心した生活を送れるようにしたいと考えていた
  • 災害時のリスク分散のために、ライフラインを電気とガスで分けようと思っていた
  • 住宅営業をしていてお客様に災害時の対策をしたいと思っている

という方におススメです

contents

災害時の電気・ガス併用住宅の災害対策

電気・ガスの併用住宅で地震時の災害対策になるか、というと
答えは  です。

電気・ガス併用住宅の弱点

最近のガス給湯器というと

エコジョーズエネファーム
昔ながらの給湯器をより高効率にし、少ないガス量で効率よくお湯を沸かす省エネ性の高い給湯器ガスから取り出した水素と酸素を化学反応させ、
電気をつくりだす。その時に発生する熱でお湯を沸かし、
給湯に利用

の2種類が主流です。
主にこの二種類で災害時のことを考え、どちらにするか検討する方も多いのではないでしょうか。

電気も作れるエネファームは光熱費を抑えられるけれど、
スタートの投入資金が結構かかる!

ガス給湯器は電気がないと動かない

ここで注意なのが

えるしっているか ガス給湯器は 電気がないと動かない 

ということ。知ってた?ガス給湯器、電気がないと動かないんだよ!!
実は意外と知られていないのです。

ガス給湯器専用コンセントが必要!

つまり、災害時に電気を使わずにガスが使用できるよう「オール電化にしない」って言っていたあなた。

それ、出来ないです。

停電時もガスが使える場合もある

ただーし!!
エコジョーズもエネファームも停電時にもガスが使えるようになる、
「停電対応ユニット」が存在します。

出典:リンナイ


停電時、ガスが供給されていれば給湯器とこの「停電対応ユニット」と、車のシガーソケットや太陽光発電の自立運転機能を使い、ガス給湯が可能です。

出典:リンナイ

また、エネファームの機種によっては停電時専用コンセント(自立運転専用コンセント)を使用し、電化製品が使える場合も。

出展:東京ガス

ただ、これはあくまで「ガス」または「ガス」と「水」が供給されている場合。

なんか不穏な感じだな…

災害時のライフラインの復旧速度

実際に災害時のライフラインの復旧速度についても考えていきます。

ライフラインの復旧が一番早いのは 電気

過去の震災においてライフライン復旧までに要した日数はそれぞれで以下の通り。

阪神・淡路大震災新潟県中越地震東日本大震災熊本地震
電気7日1日7日7日
ガス85日66日53日16日
出典:内閣府 防災情報のページより

地震発生時 復旧が一番早いのは電気。

水道管やガス管は地中埋設されているため、地震などの影響をモロに受けます。

熊本地震発生当時、北陸ガスにお勤めの方が

北陸ガス社員

僕、来週から熊本応援なんです…

えっ!!!熊本って…地震があったばかりじゃないですか…

北陸ガス社員

ガスの復旧にはガス会社社員の現地立会が必要なんですよ…。
熊本ガスの社員だけでは復旧が間に合わないので、全国のガス会社社員が
被災地に派遣されてガスの復旧作業にあたるんです

という話を聞いて、大変だな~と思ったのを覚えています。
地中内に埋められているガス配管だからこそ、地震でダメージを負ってしまった場合の復旧は大変。

復旧の早い電気も復旧は大変…

露出している電線の方が確かに復旧は早い。
だけど、地震の規模によっては送電棟が倒壊したり、変電設備が壊れたりと「露出しているから楽」ってことはないのです…。

また、最近は無電柱の街づくりを目指しているエリアも多く、地震でのライフラインの復旧についても電気だから早い、と言えない場合もあるかもしれません。

電柱倒壊で道路が通れず逃げることが出来ない、っていうのは減るね

やはりオール電化住宅が災害対策には良いのか?

復旧速度を加味するとやはり電気の方が早いので
電気・ガス併用よりもオール電化住宅の方が日常生活には戻りやすいと思います。

しかし、オール電化住宅の場合エコキュートなどの被害がない、という前提。
地面が大きく揺さぶられた場合エコキュートなどの倒壊で通常通り使えない可能性はかなり高いです。

エコキュート設置場所の地盤面も
地盤改良するなどの対策も!

もし仮にエコキュートが全く問題がなかった場合、エコキュートに貯水出来る水量は一般的には370リットル~460リットル。こちらの水をいざという時に常用水として使用できます。370リットルは4人家族で大体3日分くらい。

エコキュートさえ、倒れないようにできれば
災害時でもかなり安心感は強い!

まとめ

起こる災害によっては何のライフラインがダメージを受けるかが変わってきます。

例えば台風や雪害の場合は露出している電線が強風や雪による倒木で切れてしまう可能性も。
そうなると、ガスや水の供給は続くので
停電時専用コンセント(自立運転専用コンセント)を利用できる状態のエネファーム(ガス)が有利です。

地震の場合は地中埋設であるガス管の復旧の方が時間を要するため、
オール電化住宅にしておいた方が復旧自体は早いですが、エコキュート自体にも倒壊対策が必要です。

台風雪害地震
電気の想定被害被害被害被害
ガスの想定被害無被害無被害被害
ガス有利
(停電時利用のエネファーム)
ガス有利
(停電時利用のエネファーム)
オール電化がやや有利?
(電気の復旧の方が早い)
(エコキュートの被害想定による…)

というのが本日の谷考察まとめですっ!

他の考え方やご意見も是非聞きたいのでコメントやTwitterなどでもご指摘ください。

About me

谷(たに)です

  • 住宅会社営業ウーマンとして10年以上家づくりのお手伝いをしてきました。
  • 2020年に自邸のマイホーム計画スタート。2023年3月に引渡し。
  • 現職は家づくりの相談をうけたり、不動産屋さんをしています。
  • 2013年産まれの男児と夫の3人暮らし。
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