家づくりを検討する方の多くは土地探しから、という方も多いです。
私も長らく住宅営業を経験しましたが8割は「土地から」というお客様でした。
モデルハウスに行く前に「希望のエリア名 売土地」 などで検索したことがある方も多いのでは?
でもその家づくりの方法、失敗します よ!(ドーン!!)
なぜ失敗してしまうのか。
私が住宅営業マン時代に出会った お客様の失敗談を元にお話します。
この記事は
- 土地探しからの家づくり
- 自分達で今土地探し中!
- 理想の土地に出会いたい
という方におススメです
土地探しが先でしょ!土地探しを先行しての失敗談
住宅営業マン時代
もう、ここがいいな~っていう土地があるんです
というお客様と出会えると
土地探ししなくて良くてラッキーだけど…
大丈夫だろうか…
と思うことも多かったです。
どんな心配か、というと…
失敗談1:そんな費用がかかるの?!土地にかかる付随費用で予算オーバーなお客様
単純に土地を買って畑をしたいという理由なら全く問題がないのですが、
土地を買ってマイホームを建て、今以上に幸せになりたいという気持ちで土地を購入します。
そうなると、「家を建てて生活できるよう」に土地を造成しなければいけません。
こんな概要の土地だったとすると…
- チェック1 準防火地域は建物の仕様に制約がかかり 予算+200~300万円UP
-
準防火地域や防火地域は超簡単に言うと「自宅から出火した場合、隣の家に燃え移らない様に家を建ててくださいエリア」です。
具体的に言うと- 窓を防火窓へ
- 玄関ドアを防火仕様へ
- 軒天を防火仕様へ
- 換気扇を防火仕様へ
- 外壁を防火仕様へ
などの制約をクリアしないと家を建てられないのです。
標準仕様で防火仕様の住宅であれば追加費用は掛かりませんが、
一般的な住宅会社の仕様の場合、防火仕様に変更するために200~300万円の予算UPが必要になります。 - チェック2 ライフラインの引き込みで 予算+50~110万円UP
-
生活するのに必要なライフライン。上下水道は必須ですが、
今回の例えばの土地だと、敷地になく前面道路に埋設されています。
マイホームの生活で使える様にするには、前面道路に埋設されている上下水道管を引っ張り出し、自宅の敷地へ引き込むという造成が必要です。 谷簡単に言うと、道路をぶっ壊して、埋まっている管を掘り出し、自宅へ分岐させて 元に戻す という作業です。
私の住むエリアだと、
- 上水道
-
50万円程度
- 下水道
-
市が負担(一部負担金が必要な場合大体30万程度)
- ガス
-
30万程度
という感じ。(ガスの引き込みせずオール電化の場合負担なし。)
- チェック3 乗り入れ工事で 予算50~100万円UP
-
敷地の形態によっては
道路と敷地の間に歩道があったり、縁石があったりと車の乗り入れを考えると段差や縁石の撤去をしなければ車を敷地内に駐車することが出来なくなります。その段差や縁石は所有者(大体が市か県)の承認がなしには撤去出来ず、
所有者の指示の通りに施工しなければなりません。私の住むエリアでは申請費用+工事費で大体100万円前後に…
そうなると…今回の概要の土地の場合
土地価格 | 付随費用 | 土地+ この土地に家を建てるための付随費用 |
---|---|---|
1,000万円 | ①建物防火仕様へ…………300万円 ②ライフライン引き込み…110万円 ③乗り入れ申請+工事……100万円 | 1,510万円 |
510万円も不随の費用で掛かってしまうのです!(私の住むエリアの場合の概算)
家づくりの予算を仮に3,000万円、としていた場合…
と、予算オーバーになってしまったり、望む性能や間取りや設備を諦めるしかなくなることもあります。
他にも「平らな土地」だと思っていても、
実際に土地の高さを測ってみると外構工事にお金がかかる土地だった、なんていうことも多いです
失敗談2:え?どうして?!…理想の家が建てられないお客様
土地にはすべて国が定めたジャンル分けがあります。ジャンルによっては家が建てられない土地、も存在します。
都会の方ではほとんど心配がないけれど、
地方のエリアの方はた~まに該当する場合があります
どんな土地だと家が建てられないかと言うと…
- 都市計画法上の工業専用地域
- 接道義務を満たさず、再建築不可な物件
- 市街化調整区域にある「宅地」でない土地
などに該当する場合は家が建てられない、または建てるためにめっちゃお金がかかったり、時間がかかる場合があります。
この内容についてはまた別の記事でまとめます!
また、建てられる土地であっても建てられる建物の大きさや建物の高さの制約があります。
土地探しをしている際によく目にする「建ぺい率」は
風通しを良くするためや防災時に避難しやすくしたり、火の燃え移りを防ぐため
敷地に対してどのくらいの大きさの建物ならば建ててもいい、という割合を定めています。
つまり、建ぺい率が極端に厳しいエリアでは 希望の大きさの建物を建てる場合には、大きな土地が必要になる場合があります。
一番厳しい建ぺい率は30%。高級住宅街に多いです。
例えば
一生暮らしやすい、平屋を建てたいな。
20畳のLDKに主寝室7畳。
子ども部屋は4.5畳を二部屋欲しい
という希望の場合…上記のお部屋だけで36畳=17.64坪=58.32㎡。
指定建ぺい率 | 必要な土地面積 ㎡ | 必要な土地面積 坪 |
---|---|---|
30% | 194.4 | 58.80 |
40% | 145.8 | 44.10 |
50% | 116.64 | 35.28 |
60% | 97.2 | 29.40 |
実際にはお風呂や収納スペースなどを考えるともっと大きな土地が必要になりますが、簡単に計算するとこんな感じ。
建ぺい率 30%の土地で 理想の大きさの家を建てる為には 一番大きな土地が必要になります。
近隣で理想通りの大きさの土地が販売していればいいのですが、
大きい分、土地の費用が高くなったり、
建物以外のスペースが出来る為 外構計画で費用がたくさんかかってしまう場合もあります。
\ 確認の仕方は 下記の記事をご参照ください /
失敗談3:そんなスピード感?!土地の残金支払いが迫っていて比較検討が出来ないお客様
土地の売買は 多分これから土地を購入したい、という方の思っているスケジュール感より、
かなり速いです。
私も住宅会社に入社して
「こんなスピード感で土地の契約しないといけないのか…」
って驚きました。
具体的に見てみると…
「この土地が、この条件でほしい」と売主さんに意思表示するための書類を提出。
条件が合致すると土地の契約へ。
ここでどんなスケジュールで進めるかの日程を約束(契約)する。
土地の手付金の支払い
住宅ローンを利用し、土地を購入する場合では
土地の契約書 + 建物の契約書 を持って銀行と手続き
手付金で支払い済分 以外の残りのお金を支払うと、
ようやく売主さんから自分の土地へ権利変えてもらえる!
という4ステップが一般的。
このステップの進み方がえげつなく早い。
と、
この土地がほしいという意思表示をしてから、
大体1か月半後には自分の土地になってしまうというスピード感。
さらに注意してほしいのが
住宅ローンの本申込時には 土地の契約書 と 建物の契約書が 必要ということ!
つまり、土地を先行して自分自身で探し、
掘り出し物の土地すぎる!
他の人にとられたくないから
早めに申し込みして、土地の契約をしておこう…🔥
と行動すると、住宅会社を比較検討する間もなく、土地の残金決算をしなければならなくなることに…!
不動産屋さんや、売主さんと時期については相談できることもありますが、人気のエリアや強気の売主さんだと
「そんなに時間がかかるなら、ある程度決まってからの申し込みにして下さい」
と言われてしまうことも…!
ちなみに、契約書で取り交わした残金決済時に住宅ローンの手続きが間に合わず、支払いができない、という場合は
違約金が発生してしまいます!
\ どんなことをしないといけないの?をまとめた記事 /
まとめ
以上。
初めての家づくり。初めての土地購入。そんな方が張り切って一人で土地探しを先行で進めると…
- 実は「家を建てて生活できる」ようにするにはめっちゃお金のかかる土地でした~
- 建物を建てられる割合が決まってまーす。希望の間取りだと入りませ~ん
- 1.5か月後には土地の費用払ってくださいね!手続き間に合わなくて違約金発生しますよ?
なんていうことになるかも?!
土地探しは住宅会社の検討と一緒に!
住宅会社も土地探しを一生懸命手伝ってくれますし、
上記の様な事が起きないようにいろいろなアドバイスをしてくれます。
また、タイミングが良いとネットに出ていない未公開情報の土地を紹介してくれる場合もあります。
でも、住宅会社は土地探しが仕事ではありません。
お客様が気に入る土地を一緒に探し、そこにお客様が幸せになる為の家を建てるのが仕事です。
土地探しはお客様の家づくりのための善意のサービスです!
そのことをよく理解し、土地探しを住宅営業マンと二人三脚で進めてください😊
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