事前審査は物件選びより先にすべし！実際にあった大失敗談

家づくりには切っても切れない住宅ローンの審査。
個人的には事前審査は早くて困ることはない、と思っています。
むしろ早くやるべき！とすら思います。
それはなぜか。私の１０年来の住宅営業マン時代に実際に会ったお客様との大失敗を踏まえてお話します。

実際にあった　大失敗談

実際に私がお客様との事前審査を早くしないが故に起きてしまった大失敗をお話します。
より伝わりやすいよう一部から五部くらいまで脚色を加えています。

「ここに決めた！！」…レア物件をＧＥＴ出来なかったＡ様の場合

Ａ様ご夫婦がご希望されていた土地のエリアは ガチャで言ったら超激レア級。
めったに出ない売り土地が出てこないということもあり、土地探しをメインにＡ様と行っていました。

谷「ん？Ａ様…あれって…」
Ａ様「あ、あれは…ずっと探していた幻の…！」

そうです。Ａ様はついに超激レア級の土地を発見！
迷わず
Ａ様「ここに決めたっ！！！！」

と電光石火のごとく不動産屋さんへ申し込みをしたい旨の連絡をします。

その後Ａ様は大急ぎで事前審査をしますが、事前審査の結果が出たのは２日後…。
その間に超レア級の土地は
「事前審査のＯＫが出ていて、買えることが確定してる人」が購入することに決まってしまいました。

これを読んでこの不動産屋さん、ひどい！と思う方も多いのではないでしょうか？

不動産屋さんや土地を売りたい売り主さんも「指輪も準備してプロポーズ」してくれると本気度を実感できるのです。
さっきのＡ様の状態は「本気度」を感じられないと判断されてしまったのです。

特に人気エリアの場合であればより「本気度」が強い人が優先になってきます。

どうしてローンが通らないんだよ゛お゛お゛…Ｂ様の場合

Ｂ様はやりたいことが明確なご夫婦。
特に土地に対しての思い入れが強く、２年ずっと土地探しをしながら、ようやく理想の土地に巡り合えました。
家事動線もばっちり！理想のマイホーム。事前に決めた予算内で建てられるぞ！！！

と、意気揚々とB様に事前審査の書類にご記入いただき、銀行へ持ち込むと…

固まる谷。時が止まる谷。
ご収入的には全く問題のないＢ様ご夫婦。
その後のご主人に内緒の借入があったこと、さらにその返済を延滞していたことが発覚。

延滞の内容から、どの銀行も取り扱えない内容だっため　しばらく家づくりは見合わせることに。

Ｂ様奥様「…まぁ、仕方ない。これからは忘れずに返済してね。落ち着いたらまたマイホームを建てよう」
Ｂ様ご主人「妻よ…」

とご夫婦の愛を見せつけられる谷であった…。

結局その後　B様の家づくりは年単位で家づくりの計画はストップし、
住宅ローンの借り入れが問題なくできるようになってから理想のマイホームを建築されたＢ様でした。

ローンの返済が出来なかった、引き落としが出来ず督促が届いた、
などがあれば事前に個人信用情報を確認しましょう

事前審査を早めに行うメリット

実際に会った失敗談をお伝えしましたが、失敗を防げるということ以外のメリットもあります。

絶対的な安心感をもってスタートを切れる

先ほどの失敗談を防ぐことが出来るほか、何にも替えることのできない心の安定が保てます。

だって家づくりで通らなければならない一つの死線をかいくぐっているんだもの！

借入ＮＧの場合、プロと具体的な作戦を立てることが出来る

仮に、事前審査がＮＧだった場合でもなぜＮＧだったのかの原因が分かり、治療をすることが出来れば
事前審査がＯＫになることもあります！
なので、ＮＧだったとしてもガッカリせず出来ることはやり切った方がいいと思います。
具体的な治療方法などの作戦会議は金融機関とも出来ますが、
個人的にはたくさんの金融機関との取引が多い住宅営業マンとする方が「事前審査を通すことのできる可能性」が増えます。
いろいろな金融機関とやり取りをしていたり、いろいろなお客様のローン審査のお手伝いもするため百戦錬磨のスタッフが多いです。
他にも費用がかかりますが、住宅ローン専業のコンサルティングをしている会社がある為、「何としても！」という方はご利用するのもいいでしょう。

事前審査を早めに行う際の注意点

じゃあ早速　事前審査をやってみよう！の前に、注意したほうがいいことも。

本申込で金額や条件は変更できる

事前審査をやってみたいけれど…

そうですよね…
でも大丈夫！

物件も変更できますし、借り入れの金額の変更もできます！
事前審査はあくまで目安として行います。
実際の物件の審査や金額の精査は住宅ローンの本申込で判断します。

つまり、例えば5,000万円の物件Ａで事前審査のＯＫが出たとしても、
必ず5,000万円を借りなければいけないわけでもないし、
物件Ａを必ず買わなければいけないわけではありません。

ただし、事前審査でＯＫが出ている金額より増額したい場合は再審査が必要になります。
その為、希望条件が固まっていない場合は　予算よりあえて少し高めで審査をするのもアリです。

また、物件によっては当初とあまりにも条件が違う（極端に小さい、とか極端に都会から田舎の物件になったなど）場合も再審査が必要になる場合があるので注意してください。

たくさんの金融機関へ事前審査を出すのは×

安心感を得たいから
もっと良い条件の銀行を見つけたから
とたくさんの金融機関に適当な金額で事前審査を行うと、審査した履歴や融資ＮＧの履歴が残ってしまいます。
そうすると金融機関では

と、心証が悪くなってしまったり

と、住宅ローンの審査が厳しくなる可能性もゼロではありません。

複数の金融機関で比較することはもちろんＯＫですが
複数社にするよりも、事前に比較検討した２～３社程度がおススメです

まとめ

実際にあった失敗談を踏まえて記事にしました。

借入の条件を変更したり、住宅ローンを借りることが出来るまで待ち、時間が解決してくれたりと解決策はありますが、やはり理想の形はあったはず。
進め方がちょっとだけ違うだけで、理想通りの家づくりができるか、何かしらの妥協が必要な家づくりになるかが変わってきます。
家づくりに正解はありません。
それでもなるべく理想に沿う家づくりを実現してほしい、そうするためのひと手間を惜しむべきではないと思います。
初めてのマイホーム。だからこそ分からないことがいっぱいですが、
知識や情報を自分自身に蓄えておくことは、理想の家づくりに近づく一歩でもあるのです。