一言に扉!建具!ドア!戸!と言っても実は種類が超いっぱいある。
一般的に居室への出入り口に多く提案されているであろう、
引き戸と開き戸はどっちがいいのか問題について考えてみました。
この記事は
- 建具の種類どうしたらいいか分かんない!
- 建てた後 後悔したくない
- 住宅営業マンとしてお客様にどうプレゼンしようか迷う~
という方におススメです
建具の種類 一覧については別記事でまとめます!
引き戸と開き戸 メリット・デメリット
まずは2種類の扉の紹介から
引き戸 | 開き戸 | |
---|---|---|
図面表記 | ||
イメージ | ||
どんな建具? | 戸をレールや溝の上を往復させて開閉する扉 | 丁番などの金物で止められた部分を軸に扉が弧を描いて開閉する扉 |
引き戸メリット1:任意の位置で開けたままにできる
引き戸はただ開閉するだけでなく、少しだけ隙間を開けて換気をする、などの任意の位置での調節が可能です。
開き戸のように風によって勝手にしまってしまうこともありません。
換気したいときや、風を通したいお部屋では通風をとることが出来ます。
引き戸メリット2:扉開け閉めの為の動作域が少ないので、高齢者や体の不自由な方にも開閉しやすい
引き戸の場合、取っ手を引っ張って開ける、という動作で
扉本体がスライドしてくれるので
開き戸と違い後ろに下がったり、扉の開閉を避けるなどしなくても良いのが一番のメリット。
動作域が少ないので、高齢者や車いすを利用されている方、体の不自由な方でも開閉が楽です。
引き戸メリット3:部屋と部屋をつなぎ、仕切りたいときのみ仕切れる可変性
引き戸の種類によっては開いた扉が壁の中に収納され(た様に見える)引き込み戸という扉も。
そういった扉を使うと…
普段は2部屋を繋げ広々使えるけれど、部屋と部屋を仕切りたい、なんていう時にも
扉を閉めるだけで仕切れるのでとっても便利。
扉1つでいろいろな使い方が出来る可変性が素敵!
リビングの隣に畳スペースを作る方などに向いています
開き戸メリット1:デザインの種類が豊富
開き戸のメリットは何といってもデザインが豊富なこと。
ガラスの入っているものや、装飾の美しいもの、など。
引き戸では選ぶことのできないデザインも、開き戸であれば選ぶことが可能なものが多いです。
開き戸メリット2:ペットドアの対応がある
開き戸の場合はペット専用の小さな出入り口がついたペット対策ドアを選ぶことが出来ます!
ペットの挟まりなどの危険防止のため引き戸ではできない、開き戸ならではのメリット。
小さな家族と一緒に新居にお住まいになる方にはうれしい設備
開き戸メリット3:建具下部にレールがないため掃除が簡単
引き戸は戸をレールや溝の上を往復させて開閉する扉なため、レールが必要不可欠。
このレールのお掃除、綿棒を使ったり、輪ゴムを使う作戦など様々ありますが、かなり厄介。面倒なうえに髪の毛などが入りやすく、扉本体についている滑車部分に絡まることも…。
開き戸の場合は扉の左か右側のどちらかで丁番などの金具で固定し吊られているためレールが存在せずお手入れが楽々。
引き戸デメリット1:建具下部のレールにゴミがたまりやすい
これは先述の「建具のメリット③ 開き戸のメリット3:建具下部にレールがないため掃除が簡単」と同様です。
がっ!!
最近では引き戸もレールや溝をなくし、上部のみで吊る上吊りタイプの引き戸もあります。選ぶ引き戸によってはお掃除しやすくなってきました
引き戸デメリット2:戸を引き込むスペース(戸袋)が必要
このデメリットは引き戸としての最大のデメリットではないかと思います。
引き戸は扉本体+開ける為に扉の引き込まれる部分(戸袋)が絶対的に必要です。
開き戸だと半分のスペースで取り付けられるけど、引き戸だと開き戸の倍のスペースが必要です。
引き戸を採用したいけど…間取り的に絶対にできない、なんていうこともあります。
引き戸デメリット3:戸を引き込むスペース(戸袋)は壁としては使えない
引き戸は扉本体+開ける為に扉の引き込まれる部分(戸袋)が必要になる為、
その戸袋部分にはコンセントや壁掛け時計などを設置することが出来ません。
開き戸デメリット1:扉開け閉めの為の動作域が必要
開き戸の絶対的なデメリットと言えばこれ!
開き戸の場合 押すか、引くかの動作が必要になりますが、
それと合わせて扉が動くので、引く場合だと体を一歩下げないといけません。
また、扉が180度開く場合は扉の可動位置は使えないデッドスペースになってしまうため家具がい起きにくい場合も。
開き戸デメリット2:扉を開く側に人がいた場合 ぶつかってしまう可能性がある
先述の通り、開き戸の場合、開いた扉が前後ろに異動してしまうので、
開いた扉の先に人がいるとぶつかってしまうことも…。
扉が密集している場合、建具同士が干渉してしまうことも。
どの方向からも出入りできるよう、家事動線を考慮してぐるぐる回れる回遊動線にしたけれど、
建具同士の干渉のせいでそぉっとしか開き戸が開けられないのでは意味がありませんよね。
開き戸デメリット3:任意の位置で開けたままにできない
引き戸と違い開き戸は任意の位置で扉を開けっぱなしにするのは苦手です。
ドアストッパー、いちいち置くの面倒くさいな~
よく言われる 引き戸は開き戸と比べて 遮音しずらいは本当か…?
よく「開き戸と引き戸の気密性、遮音性は開き戸の方が高い」と言われます。
引き戸の場合、
- 戸袋部分の壁が薄くなること
- 扉と壁との隙間ができること(隙間がないと扉を引くことが出来ない)
といった理由からかと思いますが、
私自身、開き戸の方が気密性、断熱性が高いということに関しては少し疑心的です。
だって、開き戸もドアの下に隙間出来るもん。
開き戸の隙間はアンダーカットなどと言いますが、
2003年の建築基準法改正で定められた24時間換気に安価に対応する為の方法の一つです。
開き戸の下の部分に1㎝程度の隙間(アンダーカット)や、ガラリという隙間を設け「換気孔」をとり、通気の確保をするのです。
建具の個体だけを見れば
確かに引き戸の方が隙間ができやすく気密が劣る。
気密が劣ることによって遮音性も劣る という形にはなりますが、
24時間換気の一端を担うアンダーカットがある場合の開き戸の場合一概にはそう言えなくなっているのです。
まとめ
前述の内容をまとめたものがコチラ!!
引き戸 | 開き戸 | |
---|---|---|
図面 | ||
イメージ | ||
メリット | ①任意の位置で開けたままに出来る ② 扉の開け閉めの為の動作域がすくないので 高齢者や体の不自由な方にも開閉しやすい ③ 部屋と部屋をつなぎ、仕切りたいときのみ 仕切れる可変性 | ① デザインの種類が豊富 ② ペットドアの対応がある ③ 建具下部にレールがないため掃除が簡単 |
デメリット | ① 建具下部のレールにゴミがたまりやすい ② 戸を引き込むスペース(戸袋)が必要 ③ 戸を引き込むスペース(戸袋)を壁として 利用できない | ① 扉の開け閉めの為の動作域が必要 ② 扉を開く側に人がいた場合ぶつかってしまう 可能性がある ③ 任意の位置で開けたままには出来ない |
引き戸も開き戸もそれぞれ一長一短。
考え方や使う箇所によってはメリットになったり、デメリットになったりします。
建具を触らない日はないため、選んだ建具によってはストレスになったり…なんていうことも。
どちらが自分にとっていいのか、
今の自分だけでなく10年後、20年後、30年後…の自分や、家族のことも考慮しながらどんな建具が合っているのかを考えてくださいねっ☆彡
コメント