変動金利、選んで大丈夫?

住宅を建てる際、必要になってくるお金の準備。
多くの人が「銀行」から「住宅ローン」としてお金を借りて、土地を購入することに使ったり、家を建てる費用として充てたりします。

が、借り方も様々。
今回は 借り方のひとつでもある変動金利について詳しく解説します

このブログは

  • 変動金利と固定金利、どっちがいいの?
  • 変動金利…全然わからん
  • 変動金利ってぶっちゃけどうなるの?

という方におススメです

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大人気の変動金利

マイホームを建てるほとんどの方が利用する「住宅ローン」。
様々な住宅ローンの商品がありますが、人気なのが「変動金利」。

出典:住宅支援機構 【住宅ローン利用者調査(2022年10月調査)】

最近では住宅ローンを利用する70%の人が変動金利!

谷夫

我が家も変動金利で住宅ローンを組みました

変動金利の人気の理由

変動金利は
ずば抜けて金利(銀行の儲け分)が低いですっ!!!!
つまり、毎月の返済額も少なくてすむ!

具体的に金利、返済額で見てみると…

3,000万円借入、35年返済 の場合
(※35年間金利が変わらなかった場合)

変動金利10年固定35年固定
金利0.32%0.99%1.77%
月々返済75,512円84,545円95,874円
総返済額31,715,349円35,509,307円40,267,295円
住信SBIネット銀行 4/13現在金利

驚愕の差…。
変動金利と35年固定では 月々 20,362円。
総返済額で 8,551,946円も差が出てくる…!!!

谷夫

我が家は
月々の返済を減らしたい、という理由で変動金利を選びました

ただし!
変動金利は借りている際の金利(簡単に言うと銀行の儲け分)が変わり+動きます。
具体的に言うと1年に2回 金利の見直しがあり 金利が変更します。
その結果、金利が上がると毎月 住宅ローンをたくさん返さなければならなくなります し、
金利が下がると毎月 住宅ローンを返済する分が少なくなる こともあります。

毎月いくら払うのか、総額でいくら払うのか計画が出来ない…
ギャンブル性が高い…

変動金利は1年に2回の金利見直し…不安すぎ?!

先述の通り、変動金利を取り扱う多くの金融機関は1年に2回 金利の見直しがあります。

が、変動金利を取り扱う多くの金融機関では 急な金利upや支払金額upをセーブしてくれる
5年ルール や 125%ルール が存在します。

金利が急激に支払額が増えない?!最高の5年ルール

5年ルールは
半年に1度、金利見直しがあっても、毎月の返済額は5年間変わらない、という魔法のルール。
支払わなければならない「適用金利」が見直しされても、毎月の返済額が変わらないのでとっても安心。最高すぎる。

谷夫

それだと…5年固定と変わらないんじゃないの?

いい質問ですね~!

毎月返済額が変わらない5年間の間に、適用金利が下がればラッキーですが、金利が上がってしまった場合、
毎月の返済額のうち利息部分の金額は増えてしまいます。(金利が増えているので当然)
適用金利が一定レベル以上に上昇すると、支払わなければならない利息部分が、毎月の返済額を超えてしまう可能性もあります。これを「未払利息」や「未収利息」と言います。

未払利息が発生すると、毎月の返済額が利息部分に充当され、住宅ローンを借りた元金が全く減らなくなります。

例えば…

3,000万円借入、35年返済、半年毎に0.5%適用金利上昇

期間適用金利月々返済額内利息額内元金額
スタート0.5%77,875円12,500円65,375円
半年1.0%77,875円24,673円53,238円
1年1.5%77,875円36,609円41,266円
1年半2.0%77,875円48,398円29,477円
2年2.5%77,875円60,128円17,747円
2年半3.0%77,875円71,886円5,989円
3年3.5%77,875円83,762円-5,887円

月々返済額は5年ルールがあるので、金利がどんなに上がっていこうが変わりません。
変わっていくのが月々返済の中身。利息額と元金額の割合です。
このシミュレーションの場合、3年目に金利が3.5%に到達すると、月々の返済額よりも利息が5,887円多くなります。
この5,887円が未払利息です。

ちなみに、「金利が下がった」場合も支払金額は5年間変わらず、
「元金」が返済されていく、
となります。

支払額にも上限がある?!安心の125%ルール

125%ルールは前述の5年ルールの後
6年目の適用金利の見直し時にそれまでの毎月の返済額の125%以上毎月の支払額が増えない、というセーフティールールです。

金利がどんなに上昇しても返済額は今までの25%以上にはなりません。

例えば、
毎月の支払額を10万円にせっていしていた場合には
金利が上昇しても6~10年目(5年ルール発動!)の支払額は12.5万円以上にはならない、のです。

…未払利息は?

神(?)施策の5年ルールや125%ルール。
それぞれのルールでもし未払利息が発生してしまった場合は
借入期間中に返済しなければなりません。

住宅ローンを返済終わった、と思ったその時に たまりにたまった未払利息を一括で返済の請求があったり、
支払い出来ない場合は借入期間を延長する、ということも。

今までの変動金利、これからの変動金利ってどうなるの?

金利の見直しや、5年ルール、125%ルールなど 様々な心配や安心(?)対策もありますが…
結論としては変動金利の低金利がずーっと続いてくれれば一番良し!な、わけです。

今までの変動金利の推移

実際に過去の変動金利は1995年からほとんど金利が変わっていません。

フラット35 民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)

1994年の記録的な円高の加速や 1998年 完全失業率最大、「平成の大不況」を経て
1999年2月 日銀は「ゼロ金利政策」をスタート。
2016年2月には「マイナス金利政策」へ。

この日銀の政策により世の中は

限りなくゼロに近い低っ~い金利で個人も会社もお金を借りることが出来る!
→個人も住宅ローンを組んだり、会社も負担が少なくお金が借りれて経済が潤う!

お金を預けていても金利がめちゃくちゃ低いので全然利息が増えないっ!
→銀行ではお金が増えないので投資に…

という流れになったわけです。

一生続いてほしい!日銀の金融政策!

が、2022年12月20日に長期金利の変動許容幅を「0.25%」から「0.5%」に拡大しました…。

おかげで住宅ローンの長期金利も一気にあがりました…

これからどうなる 短期金利?

金融政策の緩和があるとなると、心配なのは短期金利の金利も上がるのではないか、ということ。
なんたって70%の人が短期金利を選んでいます。

私自身は短期金利が直近で上がる可能性は少ない、と考えています。

短期金利を決める指標は長期金利を決める指標と違うから

変動金利は短期プライムレートが基準。
今回、日銀が引き上げた固定金利は長期金利(10年国債)が基準で金利を決定します。

つまり変動金利の元となる短期プライムレートは相変わらず金融政策を受けているわけです。
永遠に金融政策が続くとは思っていませんが、
いまだ日銀の目指す「2%の物価安定目標の持続・安定的に達成」には至っておらず、しばらくの政策延長となると考えています。

ただし、コロナウイルスが5類扱いになったり少しずつ賃上げに動き出す企業も増えています。

UNIQLOは年収 最大40パーセントup…。
うらやましい…

いつ、短期金利になってもいいような家計の準備や無理のない住宅ローンを決定することが大切です。

もしこれから住宅ローンを組むなら…

改めて、今の状態の金利状態で住宅ローンを組むなら、やはり変動金利を選びます。
ただ、金利上昇のリスクは少なからずあるので

1.ミックスローンの検討

住宅ローンを変動金利のみの1本立てで組むのではなく、
変動金利 + 固定金利 の2本立てで組みリスク分散を検討します。

ミックス金利については また別のブログでまとめます!

2.繰り上げ返済を前提にした借入金額に

金利が上がった時に返済額を減らしたり、年数を短縮できるよう
繰り上げ返済を前提とした住宅ローンを組むようにします。

の2つは必ずするかな~。

About me

谷(たに)です

  • 住宅会社営業ウーマンとして10年以上家づくりのお手伝いをしてきました。
  • 2020年に自邸のマイホーム計画スタート。2023年3月に引渡し。
  • 現職は家づくりの相談をうけたり、不動産屋さんをしています。
  • 2013年産まれの男児と夫の3人暮らし。
  • もっと詳しくはコチラ
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