雨で基礎が水浸し?!大丈夫?梅雨時期の工事について【基礎工事編】

梅雨が近づいてまいりました!
梅雨時期になると肌寒くて着るものも困るし、髪の毛もぼわってなっちゃうし、靴選びも失敗すると一日がブルーだし…。
梅雨入りする前から梅雨明けを待ち望んでいる 谷(🐤@kurashi_dukuri)です。

さて。
マイホームの工事がこれから!という方は梅雨になると心配なことも多いはず。

基礎の鉄筋中に梅雨入り…。
雨で鉄筋が錆びちゃうんじゃないか心配!

我が家は基礎が完成した後に梅雨が…。
心配になって工事現場を見に行ったら案の定 基礎が水浸し…。
プールみたいになってるんだけど大丈夫なの?

…心配ですよね!!!
そんな心配を解消する+事前に手を打つ+もしもに備えてチェックするが出来るように
梅雨時期の工事について工事の工程ごとにまとめました。
過去に住宅営業ウーマンとして培った人脈を使い、現場で作業される職人さんからも忖度のない生の声をきいてきました!

今回 忖度なしでガチトークしてくださるのは

現場監督

基礎屋さん

現設計士

元住宅営業ウーマンの
ブログ筆者のわたくし 谷でございます

の4人で行います!!

この記事は

  • これから梅雨に工事スタートになるんだけど大丈夫か不安…
  • 我が家、今 水に浸かっているんですけど…
  • 新人住宅営業で、お客様より雨の心配の連絡をもらったけど どう対応したらいいのか分からない…

という方におススメです。

contents

基礎工事の工程について

そもそも基礎の工事はどんな手順で進んでいくのでしょうか。
一般的に多い「ベタ基礎」の場合の一般的な手順をご紹介します!
お手元に工事の日程の「工程表(こうていひょう)」がある場合は、工程表と照らし合わせるとイメージが沸くかも。

まず、完成形はコチラ!

STEP
根切(ねぎり)/掘削(くっさく)工事

建物の基礎を作る為に土地を掘ります!

根切(ねぎり)工事と言ったり、
掘削(くっさく)工事と言ったりします、

STEP
砕石敷き(さいせきじき)工事

細かく砕いた石(砕石)を根切した後の敷地へ。
この砕石を機械でしっかり踏み固めることで地盤が安定します。
その後、地中からの湿気を基礎内に伝えない為に、
防湿シートを砕石の上に敷きます。

ラップみたいですよね

基礎を乗せる面を水平に保つため、また その後の作業をしやすくするために
「捨てコン」という足場的なコンクリートを施工します。

言葉通り「捨てる」コンクリートなので
構造的な役割はありません

STEP
配筋工事

既定のピッチで決められた太さの鉄筋を連結させていきます。

住宅会社の仕様によって、または
耐震等級によって、鉄筋の太さやピッチなども変わります

きれいに等間隔で配筋された鉄筋…。
最高にかっこいいんですよね~

STEP
外枠工事

木製や鉄製の枠をつけて
建物の外周を支える基礎を作る為の準備です。
この枠の中に、コンクリートを流して固めます。

コンクリートを流すのはもう少し後です

STEP
ベースコンクリート打設

下からの湿気が上がってこない様に
防湿シートをし、配筋したベース部分に
コンクリートを流し込みます。

コンクリートに気泡が入ると
強度が弱くなってしまったりするため、
コンクリートを流し込む際は振動させながら空気を抜きます。
コンクリートが入れ終わると、コテなどを使い職人が手作業でコンクリートを平に慣らします

STEP
内枠工事

家の中の柱や壁を支える基礎の為の枠を作ります。
この時に木材や鋼材などの構造部材や、設備器具を固定するためにコンクリートに埋め込んで使用する
「アンカーボルト」を決められた場所に設置します。

アンカーボルトの位置まで決めてある図面を「基礎伏図(きそふぜず)」と言います。
記念に営業さんにもらってみてもいいかも!

STEP
立ち上がりコンクリート打設

内側、外側の建てた枠にコンクリートを流し込みます。
このコンクリートが固まれば、家を支える基礎の完成です!

ベース~立ち上がりを同時に打設する
「一体形成」で作る住宅会社もあります!

STEP
完成!

雨が降ってもへっちゃらな工程タイミングは?

それぞれの専門家に忖度なしでそれぞれの立場からの見解を聞いてみました。

現役 現場監督に聞いた!!

雨が降ってもへっちゃらな工程のタイミングっていつですか?

基本はコンクリートの打設以外はへっちゃらだけどな~

え、だけど、って。何か言いよどんでるけど…

いや…。作業の効率や現場のきれいさ、あと自分自身が汚れないことを考えるとどんな工程でも雨は降らないのが一番いいよね…。雨が降っていると現場もぬかるんで、材料も汚れるし、雨ガッパを着ての作業はやりにくいし、寒い。

自分が汚れたくない…ってことかよ…

足元がしっかりしている方が現場もきれいにできるでしょ!!!

結論:
コンクリート打設(前述のStep5 ベースコン打設、Step7 立ち上がり打設)以外はいつでもOK!!
だけどすべての工程晴れている方が作業効率的にもより良い

現役 設計士に聞いた!

雨が降ってもへっちゃらな工程のタイミングっていつですか?

ベースコン打設と、基礎の立ち上がり打設以外ならいつでもへっちゃらですよ

(監督と同じこと言ってるな…)基礎の配筋が雨で錆びたりも心配なんですけど…

梅雨時期の1~2週間くらいでは基礎の配筋の強度に問題が出る程は錆びません。
浮き錆という表面にうっすらとした錆が出ることはありますが、ブラシで除去して工事をすすめるので
その辺は私は心配ないと考えています。

結論:
コンクリート打設(前述のStep5 ベースコン打設、Step7 立ち上がり打設)以外はいつでもOK!!

現役 基礎屋さんに聞いた!!

雨が降ってもへっちゃらな工程のタイミングっていつですか?

コンクリートに絡まない工事ならいつでもいいよ~

やっぱりそうなんだ!あ、じゃあ鉄筋の錆はどう?

鉄筋の錆も全然問題ない。
鉄筋の表面についた錆(酸性)は基礎のコンクリート(アルカリ性)の中に埋まると中和されて錆が取れるから
鉄筋の強度も全然問題ない

さっき設計士に聞いたら、表面の錆はブラシで取るって聞いたけど、それはしないの?

結局 基礎のコンクリート内で取れちゃうから自分はやらないな。
中にはやっている業者もあるけど、見た目の問題
だね。

建築する会社の施工マニュアルや、
施工する基礎屋がどう考えているかによってどこまで、どうするの対応は変わってくるよ

結論:
コンクリート打設(前述のStep5 ベースコン打設、Step7 立ち上がり打設)以外はいつでもOK!!

鉄筋の錆について心配な場合は
会社としてどのような見解なのか、どのような対策をするのか確認しておいてもよさそう

雨が降ったらヤバイと思う工程タイミングは?

それぞれの専門家に忖度なしでそれぞれの立場からの見解を聞いてみました。

現役 現場監督に聞いた!!

雨が降ったらヤバイと思う工程タイミングは?

ベースコンの打設と基礎の立ち上がりのコンクリート打設はやばい。

ぶっちゃけ、何がヤバい?

そもそも 雨が降るとコンクリート表面がきれいにならせないので凸凹したベースになっちゃったり、
基礎のコンクリートの比率が変わっちゃう。そうすると、コンクリートが粉をふく白華(はっか)現象が起こっちゃう。

これはタイルの白華現象
白華現象!!それ建物の強度的には大丈夫なの?

白華現象自体はコンクリート内の水が多すぎることによって、コンクリート内の成分の一部である水酸化カルシウムが表面に浮いてきた、ってことだから
強度や有害なものではないけど、見た目がね…。
新築でこうなっていたらお客さんはショックだと思うから絶対に雨が降るのが分かっていたらコンクリートの打設はやらない

結論:
コンクリート打設(前述のStep5 ベースコン打設、Step7 立ち上がり打設)は白華のリスクがあるので梅雨時期はダメ!

現役 設計士に聞いた!!

雨が降ったらヤバイと思う工程タイミングは?

ベースコン打設と、基礎の立ち上がり打設。

即答すぎる…

コンクリートの強度って、コンクリートが工場を出荷したときの水やセメント、砕石の比率で決められています。
つまり、コンクリートを打設している時に水が混じるとコンクリートの強度が変わって弱くなってしまうのです。

なるほど…。打設が終わった後の基礎の中に雨が降って、基礎がプールになっているみたいなのは大丈夫?
あれ、見るとなかなかショックすぎるけど…

こういうのですよね。
これは大丈夫。というかむしろ歓迎すべきレベル
仮に夏場など、まったく雨の降らない時期に基礎工事が出来たとしても、
コンクリートが一気に乾くと水分が蒸発したり、乾燥したりで水とセメントの比率が崩れてしまう可能性があります。そうなると、コンクリートが思ったような強度が出ない可能性もあります。だから夏場の基礎工事は、基礎にあえて散水して急激に乾燥するのを防ぐくらい。
梅雨によって基礎内に水がたまると一気にコンクリートが乾燥することを防ぐことが出来るので好都合。
水中養生(すいちゅうようじょう)という養生方法があるくらい歓迎できますよ。

結論:
コンクリート打設(前述のStep5 ベースコン打設、Step7 立ち上がり打設)はコンクリートの強度が変わってしまうのでダメ!!

でも、コンクリートの打設が終わってからの雨はコンクリートの急激乾燥を防げるのでベスト!

現役 基礎屋さんに聞いた!!

雨が降ったらヤバイと思う工程タイミングは?

コンクリートの打設タイミング。特にベースコン打設だね。
打設が終わったら、むしろ雨が降った方がコンクリートにとってはいい

コンクリート打設で雨が降ると、何がヤバいの?

土間の表面がきれいにならせなくて、表面ががたつくのが嫌だね

打設後に雨が降った方がいいのはなんで?

コンクリートが一気に固まろうとしないから。一気に固まろうとすると、ひび割れたりして本来の強度が出ない。
雨や水分があることでゆっくり固まろうとしてくれるから、コンクリートにとってはその方がいい。
夏とか、わざとコンクリートが一気に固まらない様に基礎に水蒔きしてるくらいだもん!

結論:
コンクリート打設(前述のStep5 ベースコン打設、Step7 立ち上がり打設)はコンクリートの強度が変わってしまうのでダメ!!

でも、コンクリートの打設が終わってからの雨はコンクリートの急激乾燥を防げるのでベスト!

ヤバイときの対応は何をする?

それぞれの専門家に忖度なしでそれぞれの立場からの見解を聞いてみました。

現役 現場監督に聞いた!!

雨が降ったらヤバイ コンクリート打設と梅雨が被ったらどうする?

迷わずコンクリート打設の日程をずらす!

え…そのせいで上棟とか引渡しが遅れたとしても?

まず、1日2日ずれただけですべての日程がずれるような無理な工程は組まないから、そんなこと起こり得ないけど、仮に上棟や引渡しがずれたとしても日程ずらす。
それでお客さんに怒られようと、会社に怒られようとずらす。

なるほど…。余裕を持っての工程かぁ。

その為に、お客さんの希望する日程(例えば引渡しを奥様の誕生日にしたいとか)にならないかもしれないけれど、
一生安心して、満足して幸せに住んでいただくための工事日程だから許してほしい。
工事の安全や建物の安全を加味して、工程通りに進んでいない場合もあったり、急な変更でお客さんに伝えられていないこともあるかもしれない、のも許してほしい。なるべく密には連絡するようにしているけど…!

雨が降ったらヤバイコンクリート打設の日程をずらす。
その後の工事に影響が出ない様、初めから日程には余裕をもって工事日程(工程表)を作成しておく!

現役 設計士に聞いた!!

雨が降ったらヤバイ コンクリート打設と梅雨が被ったらどうする?

日程をずらします。雨が降らない時に土間コンクリートの打設にします。

他に何か注意しないといけないことはありますか?

さっきお話した土間コンクリート打設後に基礎の中に水が溜まるのはハッピーってお話した件ですけど…
その後の工事(土台敷きや床組み)の時にも水が溜まってたり、湿気が上がってくるのは注意が必要ですね。

え…具体的にはどう注意したら…。

よく水を抜く、良く乾かすが基本。
基礎にも水抜き用の穴が開いているので、そのタイミングまで水が溜まっていることは基本ないはず。
基礎自体にも換気が取れるように換気口や基礎パッキンがあるのでそんなに神経質にならなくても良いと思いますが、きちんと床下の確認はした方がいいですね。

基礎内が水たまりになっていた場合には、その後の工事前によく乾燥できているか、基礎内部の確認を!

現役 基礎屋さんに聞いた!!

雨が降ったらヤバイ コンクリート打設と梅雨が被ったらどうする?

え…かぶらせないけど…。
とりあえず天気予報をみて現場監督に「この日の打設は雨が降るからやめよう」って別日を提案する…

デスヨネ

そうです。

基礎屋さん的に、梅雨時期の現場で困ることって何かありますか?

やっぱり、どんなタイミングでも雨が降っていると作業しにくいよね。
周囲がどうしても汚れてしまう。特に隣家を汚さない様にしないといけない、って思って気をつかうから
現場での作業よりそっちが疲れちゃう。

後々のトラブルにならない様に、
工事前にご近所の挨拶に建築会社と回っておくとよいですよ!

どんな挨拶を?なんの手土産を?という方におススメの記事

まとめ

それぞれのプロから三者三様(?)のNO忖度のご意見を頂きました!
それぞれのご意見をまとめたのがコチラ!

スクロールできます
現場監督 設計士  基礎屋さん
雨でも問題のない工事
・コンクリート打設以外工事
・出来るならいつも晴れてほしい…
・コンクリート打設以外工事
・基礎完成後の雨 ◎
・コンクリート打設以外工事
・基礎完成後の雨 ◎
・出来るならいつも晴れてほしい…
雨の時は避けるべき工事・コンクリート打設・コンクリート打設・コンクリート打設
避けるべき工事への対策・工事せず、日程変更
・日程変更出来るくらい余裕を持った工程作成
・工事せず、日程変更
・基礎完成後の雨の場合は基礎内の乾燥が出来ているか要確認
・工事せず、日程変更

今まで 住宅営業マン時代にお客様が良く心配されていたこと、自分が施主の立場だったら心配だよな、と思うことを
各専門家にぶつけてみました。
それぞれの注意点や対策などご参考になれば幸いです!

初めての建築で、マイホームの基礎がプールみたいになっていたらすごくショックですよね…。
ただ、そんなプールが家にとってはむしろ好都合だと知っていれば梅雨も恐るるに足りず!
梅雨を制する者はすべてを制する!

梅雨のジメジメも不安も吹き飛ばしていきましょうっ!!

次回は基礎以降の工事の梅雨大丈夫?!問題をまとめていきます~

About me

谷(たに)です

  • 住宅会社営業ウーマンとして10年以上家づくりのお手伝いをしてきました。
  • 2020年に自邸のマイホーム計画スタート。2023年3月に引渡し。
  • 現職は家づくりの相談をうけたり、不動産屋さんをしています。
  • 2013年産まれの男児と夫の3人暮らし。
  • もっと詳しくはコチラ
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